入浴時間が極端に短い父

カラスの行水ということわざがあるが、うちの父がそれだ。カラスの方が早いか父の方が早いかといった具合に、入浴時間が極端に短い父。

うちのお風呂場はキッチンのすぐ横にあるので、私がちょっともやしの下茹でをしている間くらいに、父が入浴を済ませて出てくるので驚いてしまうこともしばしばだ。子どもに問いかけるように、きちんとお風呂に入っているのか、頭は洗っているのか、湯船につかっているのかと聞いてみても、本人は自信満々に済ませたことを話している。お風呂上がりのビールが楽しみのようで、キッチンの冷蔵庫から冷やしておいた缶ビールを取り出して、それをもってリビングへ行ってしまうのだ。

妹は父とは反対に、ものすごく長風呂だ。我が家の風呂場には浴室テレビなんて高級な設備はないが、お風呂でサッカーの試合を最初から最後まで観戦しているのかと思うくらいの長風呂なので、妹の前に入浴しそびれた私や母は、妹のせいでなかなかお風呂に入れず、夜ふかしになって困ってしまう。ディズニーキャラクターのスティッチのように、洗う腕や脚が人より多いのかと思うくらい妹の入浴は遅いので、諦めて私は翌朝に朝風呂することも多い。

家族で、同じ屋根の下、同じ環境で育ち生きてきたのに、入浴方法や時間にこれほど違いがあるのは珍しいのではないだろうか。おそらく私と母はごく一般的で、父と妹が極端すぎるのだと思うのだが、特にお風呂を愛する日本人家庭として、入浴方法の嗜好の違いを調べてみたら、何か面白いことがわかってくるのではないだろうか。クラスの友人たちにアンケートを取ればよいレポートの題材になるかもしれない。夏休みの課題のテーマはこれに決まりだ。